株式会社廣済堂
導入の背景
新たなシステムが導入されたのは、商業印刷の分野。特に需要が高かったのがカタログ印刷で、商品の写真や文字情報などのデータをデータベースとして活用し、効率化を図る自動組版システムがその実態だ。生産技術部 部長の大川氏に導入の背景について語って頂きました。
「当社は、かなり早い段階で自動組版システムを構築していました。しかし、より高い実用性を求める上では、いくつかの問題点があったのです。例えば、デザイン作業の段階で入った修正がデータベースにフィードバックできない、DTD(Document Type Definition。【文書型定義】の意。SGMLやXMLで文書を記述する際、文中で使用されるタグや属性を定義したもの。)に縛られて自由なデータ入力ができないなどの問題です。」
営業本部 部長の三木氏も、営業としての視点から前システムの弱点を指摘した。
「前システムは、汎用性が低いという印象がありました。データをDTP端末に流したらおしまいという感じで、データベースから端末への一方通行という印象が強い。デザイン要素の多いカタログでは、前システムの利用は難しいと判断していました。」
新しいシステムを早急に構築しなければならない状況は、クライアントからの要望という形で訪れた。
「カタログを発注して下さっているお客様から、カタログ制作に関係する社員の負担を軽減してほしいという依頼を受けました。そのため、早急に新システムの構築に取り組む必要が生じたのです。」
カタログ制作に関しては、校正作業に多大な時間が取られるという現状があった。
「カタログに載せる商品の情報は、様々な形でお客様から受け取ります。当社ではそれを入力してデータとして使用するわけですが、たとえ1文字でも訂正が入れば、その都度校正が必要になります。カタログによっては、何千点もの商品が掲載されるものがあります。お客様によっては、10数人の社員が数ヶ月に渡って、その校正作業にかかりっきりにならなければならないという状況が生じていたのです。」
システムの弱点は、この点にあった。端末で打ち込んだ訂正データがデータベースに反映されないため、端末での訂正と、データベースの訂正の2度手間が必要になる。データベースの検索機能が不十分なため、データベースに訂正を入れる段階で、違う箇所を訂正するなどのミスが生じる。そこで、訂正作業を行うたびに、紙面での校正作業を欠かすことができない。このような問題点は、端末で入力した訂正データが、そのままデータベースに反映されるようになれば解決される。新システムでは、特にその点が重要視された。
導入製品
ProDIX
Adobe®InDesign®XML自動組版プラグイン
ProXCreator®
RDB、CSVファイルからのXML自動生成ソフトウェア
システム概要と効果
新システムについて
「これなら、お客様に対して胸を張って自慢できます。営業活動をする上でも、大きなメリットになりますよ。」
と太鼓判を押す三木氏。
しかし大川氏はシステム運用という観点から、
「新しい自動組版システムが真価を発揮するのはこれからです。」
と言う。
大量のデータがデータベースに蓄積され、検索機能などがフル活用されるようになった時に新システムの真価が発揮される。
【システムイメージ】
今後の展開
また将来への展望として、企画開発部本部長深見氏はこのように語ってくださいました。
「信頼性の高いデータベースが構築できたのなら、Webで活用されてこそ本物です。今後は、ネットカタログ、ネットショップという展開が当然視野にあります。そのためには、どのようなWebサイトを制作するか、どのように売れる仕組みを作っていくかが課題ですね。このシステムをベースに、新たなビジネスが展開できる事を期待しています。」
お客様プロフィール
会社名 | 株式会社廣済堂 |
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創業 | 昭和24年1月 |
代表者 | 代表取締役社長 根岸 千尋 |
事業内容 | ・情報コミュニケーション事業 ・ヒューマンコミュニケーション事業 |
所在地 | 〒108-8318 東京都港区芝浦1-2-3 TEL:03-3453-0550 |
資本金 | 10億円 |
URL | https://www.kosaido.co.jp/ |